2016年 05月 20日
蒼を湛えて
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FUJIFILM X-Pro2(Velvia), XF10-24mmF4 R OIS, XF 35mm F1.4 R
2016/5/2, 山口市秋芳洞にて





さてお立会い。

ご覧いただきましたとおり、この川だか淵だかは青い照明を受けて青いわけではなく、天然自然に青いのです。「分子内の共有結合の伸縮振動すなわち赤外吸収帯の倍音振動が可視領域に存在することに起因する」のですよ、どうだまいったか。何のことやらわかったお方は手をお上げ。おらん。まぁそうでしょうな。要するに水そのものの性質として赤色を吸収するから青く見えるってことのようです。

以上が川だか淵だかが青く見える理由ですが、となるとその対極にあるのが、鮭の身が赤く見える理由ですな。軸がよれてる気もしますが。
鮭は本来白身の魚で、天然自然に赤いわけじゃないんです。いや天然自然には違いないな、生まれながらに赤いわけじゃないんです。
奴らが餌としているエビやらカニやらオキアミやらに含まれる赤色色素が鮭の身に入って、赤く染まるのです。
だから養殖の鮭の身は白くて、餌を調整して染める。産卵後の鮭の身は、その卵(イクラですな)に色素のあらかたを持っていかれてほとんど白い、と。

てな話はご存じの向きも多いと思いますが、私がすげぇと思うのは、この、「食ったもんの色素をその身に取り込む」ってことです。
ヒラメだってカイワリ(あんま知られてないかな、一度だけ釣ったことがあります。んまい)だってエビもカニも食うけど、その身はきれいな白身です。
「食ったもんの色に染まる」って、なかなかすげぇことだと思うのです。

この赤色色素の正体がアスタキサンチンで、アスタキサンチンは強力な抗酸化作用を持っていて、これによって鮭の筋肉は疲れを知らず、もって川を遡るパワーを得るのだなんていわれてますけど、ちと合目的的すぎる気もしますが、鮭だけが身に取り込む能力を有しているってんなら、なるほどとも思わされます。
てことは、なにか。その能力を分析して人間に応用すれば、まいんちエビ食ってりゃぁ遠泳だのマラソンだのの記録が塗り替わるとか。まさかエビカニ食ってドーピングに引っかかることもあるまいて。殻ごと食わなきゃならんのがしんどいでしょうけどもね。

てまぁ、アスタキサンチン自体は医薬品もしくは健康食品としてとっくに地位を確立していて、富士フィルムも頑張ってたりするわけですが、そーいうんじゃなくてあくまで、食いもんから取り込むっていう、プリミティブにして生物学的にスマートなやりようが、かっこえぇなぁと。

えぇと。以上を総括して私が言いたかったのはつまり、
水が青いのはなんら特別なことじゃない、
です。


by atCommA | 2016-05-20 06:06 | Special | Comments(0)
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