2007年 05月 05日
芸の肥やしか悪あがき ~後篇~
さて、
風薫る五月の初日、野幌森林公園。天候、曇り。あちゃぁ。

でもまぁこれで、逆光に頼りすぎる欠点もついでに回避できるし、白飛び抑えが多少は楽だし。
ってところで、ちょうどよさげな湿地が。

【ひみつの庭】
  D70, TAMRON SP AF 90mm F/2.8 MACRO1:1  [90.00(135)mm, 1/320s, F4.0, EV0.3, ISO200]
芸の肥やしか悪あがき ~後篇~_c0084666_0514070.jpg


 とりあえず、場の雰囲気お伝えカットです。水芭蕉群生。左に見えてる倒木が、この先の足場です。

つらつら考えました結果、今回の戦略はシンプルに、二本。

1. むやみに寄らない
2. 二種以上をコラボさせる

...自分の花写真の欠点。なによりまず、"その場の空気がまったく写し込めていない"ってことじゃないかと思ったんですね。


【三役揃い踏み】
  D70, TAMRON SP AF 90mm F/2.8 MACRO1:1  [90.00(135)mm, 1/500s, F3.2, EV0.3, ISO200]
芸の肥やしか悪あがき ~後篇~_c0084666_051549.jpg


 エゾノリュウキンカ、ミズバショウ、ザゼンソウ。湿地の三役を見通して。

むやみに寄らない...そうすれば当然、場の空気をもっと意識するだろうと。合わせて、寄り過ぎなければ多少は姿勢も楽でしょうから、無理な姿勢をとっただけで自己満足しちゃう危険も避けられるかなってことで。


【地に住まう】
  D70, TAMRON SP AF 90mm F/2.8 MACRO1:1  [90.00(135)mm, 1/500s, F3.2, EV-0.3, ISO200]
芸の肥やしか悪あがき ~後篇~_c0084666_052791.jpg


 ザゼンソウとミズバショウ、両者写しこみ。

二種以上のコラボってのは、前回の"ゲスト"を呼んだ話ではなくて、花を二種以上です。遠近にせよ平面上にせよ、二つ以上配置すればこれもやはり、空間意識に繋がるんじゃないかと。
ってんで湿地の花を一通り順繰りに攻めたあとで、陸に戻りまして...


【春は淡色 I 】
  D70, TAMRON SP AF 90mm F/2.8 MACRO1:1  [90.00(135)mm, 1/250s, F3.8, EV0.7, ISO200]
芸の肥やしか悪あがき ~後篇~_c0084666_633136.jpg


 でっかく育ったフクジュソウ。地面にへちゃばりついてるもんだとばかり思ってまして、"これなんですか"ってainosatoさんに問い合わせちゃいました...その節はありがとうございました。
 バックの紫色はエゾエンゴサクです。

【春は淡色 II 】
  D70, TAMRON SP AF 90mm F/2.8 MACRO1:1  [90.00(135)mm, 1/320s, F3.5, EV0.7, ISO200]
芸の肥やしか悪あがき ~後篇~_c0084666_6333187.jpg


 攻守、ところを代えて。別株ですが。

【流転】
  D70, TAMRON SP AF 90mm F/2.8 MACRO1:1  [90.00(135)mm, 1/500s, F4.0, EV0.3, ISO200]
芸の肥やしか悪あがき ~後篇~_c0084666_052205.jpg


 散りぎわのエゾエンゴサクを見送る、エンレイソウ。


んー、しかし...
寄らない、コラボ、寄らない、コラボ、寄らない、コラボ...あー...

てやんでぃ、お題目だけで写真が撮れっかぁー。


【日輪】
  D70, TAMRON SP AF 90mm F/2.8 MACRO1:1  [90.00(135)mm, 1/125s, F9.0, EV1.0, ISO200]
芸の肥やしか悪あがき ~後篇~_c0084666_0523482.jpg

【沈思黙考】
  D70, TAMRON SP AF 90mm F/2.8 MACRO1:1  [90.00(135)mm, 1/60s, F5.6, EV0.0, ISO200]
芸の肥やしか悪あがき ~後篇~_c0084666_0524445.jpg


...結局、やってしまいました。

戦略二本で、多少はモノを考える余地が増えたような気もします...けれど反面、まず戦略ありきになっちゃって、肝心の撮影衝動がどっかいっちゃったり。みごとな本末転倒ってやつです。

求めてた空気感ってのも、あきらかな不首尾。正直もうちょい光が欲しかったとは思うんですが、もちろんそれだけじゃありません...なにか欠けてます、大事ななにかが。

結局なにをどうしようがセンスの問題なんでしょうし、そもそも被写体への愛情ってモノがこの場合どうなのよって気がするわけですが...なんにせよ、
ちと頭リセットして、出直しですねこりゃ。おそまつっ。


 本日は朝里・小樽エリアにて撮影会でして、晩は宴会になだれ込みます。本日中の更新はおぼつきませんので(どんだけ呑むつもりだか...)、早めにアップさせていただきました。
ちと野暮用もありますんで早めに、さぁてそれでは行ってまいります...久々のフィルム一本勝負、楽しみ楽しみっ。
by atCommA | 2007-05-05 06:38 | 撮りメモ:Nature | Comments(14)
Commented by sima7sima7 at 2007-05-05 08:45
CommAさん おはようございます
野の花も、、可憐な色彩を放って美しいですね~
キャプションの言葉 ”寄らない” ”コラボ” ワー耳が痛いな~(・汗・)
自分の花撮影は、、これの反対バージョンが多いので、、チョッピリ反省かな
何処かの雑誌に、花は頭で切取るより・・美しさを出し切る!って書いてありましたが・・判っても出来ないですね(・涙;)
Commented by halkyoto at 2007-05-05 15:59
この公園はいいですね。生育している植物が自然の中の植物そのもののようなものばかりのようですから。
寄らずともかなり定位置からの撮影の様子。湿地では寝そべることもできないでしょうし,ファインダーごしに花はご覧になれたのでしょうか?
/他力本願寺住職

Commented by mn3m at 2007-05-05 20:26
花は撮る人が多いのですが,有る面,難しい被写体ですよね。
自分は苦手意識はそれほど無いのですが,数年撮ってから,どうも毎年同じ花を観ると同じようなイメージしか沸かなくなって,それで撮る機会が減ってしまいました。
 好きなので時々は撮りたくなりますので,その気分になるまで待ってます(^0^)

しかしま~,いつもの事ながら,CommAさんは色々考えてますね~。
自分も少し考えて撮らないといかんかな。 反省m(__)m

おっと,1枚目と3枚目が好きです。  湿地の花達はとったことがないので憧れますね。
Commented by fusion海苔で~すッ! at 2007-05-05 23:53 x
又、今日も呟いて下さいましたネっ、CommAさん!

>自分を落ち着かせるためにくだくだ語ってるだけでございます
・・・ 其れが、私のような素人カメラ・フリークにはとても役立つンですヨ ♪
被写体にはソコソコ不自由はしてイナイのですが、「切取り方!」が分からないシぃ~、ついつい簡単モードで撮っちゃうシぃ~。。。

此れからも、大いに呟いて下さいなぁ~(笑)
Commented by i_nosato02 at 2007-05-06 09:56
おはようございます。
昨日はどうもありがとうございました。

CommAさんの花撮影教室。今日も快調ですね。
苦手苦手といいながら、こんな写真並べられたら、私が載せる写真がなくなりますよ。
「春は淡色 II 」と「沈思黙考」がいいですね。
現地からの花のお問い合わせ、いつでもOKですよ。またどうぞ。
知っている花のときはすぐにお答えします。
知らないときはメールを見なかったことにして、必死に調べます(笑)。
Commented by mab at 2007-05-06 21:12 x
花、私もどう撮ろうか悩みます。
いや、花だけじゃなくって、美しくない。
よりすぎるとグロくなるし・・

【地に住まう】は、なんか怪しい雰囲気で、いいですね~。
虫が飛び込むと閉じるパターンの花でしたっけ・・?そんなら虫が呼び込まれそうです。<--花の知識ゼロで申しています。
Commented by atCommA at 2007-05-06 21:50
>シマシマ7さん
 いやすいません、あくまで自省のひとりごとですんで...ほんとに(^^;
 そりゃぁねぇ、考えすぎたっていいものは出ないってのもよくわかりますけども...だからって美しさを出し切るっていわれても、ねぇ(^^;(^^;(^^;
Commented by atCommA at 2007-05-06 21:52
>他力本願寺住職さん
 公園といいつつ、実はかなりの部分が原生林なんです。今回の写真はすべて、自生なんですよ。いいでしょ(^^)
 えーと姿勢についてはまったくおっしゃるとおりでして、結局もんのすごく無理なかっこしてます。【地に住まう】だけはノーファインダーです。わかっていただけて(^^;(m__m)
Commented by atCommA at 2007-05-06 21:54
>mnさん
 野花撮っておられた頃の写真、機会あったら拝見したいです(^^)
 色々考えてっちゅうか、ひどすぎるですからねぇ自分の写真が。ない頭でも振り絞るくらいしか思いつかなくて。
 札幌で過ごす春は初めてですんで、私もこれらの花は撮ったことなかったんです。それだけに、なんでこんなに下手なんだろうなぁってことになるわけでして(^^;
 それでも、じんわり励ましてくださってありがとうございます(m__m)
Commented by atCommA at 2007-05-06 21:56
>fusin海苔さん
 いやとんでもないです...写真一発でどんっと行きたいとこなんですけども、不出来なぶんだけ語りが増えるということで(^^;
 なにかのお役に立てばそれはほんとに思ってもいないありがたいことです。飽きられないよう、適当にノリを調整して書かせていただきます...
Commented by atCommA at 2007-05-06 22:00
>ainosatoさん
 どうもありがとうございました、お疲れさまでした。
 ...うぅっ、お優しいお言葉を。あまりの下手さにもう泣いちゃおうかってくらいですんで、救われますです。せめて自分で好きな写真が撮れるくらいまでは、もうちょい頑張る所存ですので...またよろしくお願いいたします(m__m)
Commented by atCommA at 2007-05-06 22:03
>mabさん
 寄り加減はほんっとに難しいです。私はわりと、グロの中にも美しさ感じるクチですけども、それはそれとしても難しいです。一緒に悩みましょう(^^)
 えーと、食虫植物イメージしてます? 残念そうではない。ザゼンソウは虫に花粉運んでもらわなきゃならんので、閉じ込めちゃまずいんですよ(^^;
Commented by mab at 2007-05-07 01:15 x
そう、食虫植物イメージしてました!
すんません~。(笑)

花で撮り手の「個性」出すのって、難しいと思うのは私だけでしょうか。
Commented by atCommA at 2007-05-07 18:54
>mabさん
 うはは。けっこう肉厚なんですよ、このワインレッド。数mmってとこかなぁ。
 花って、そもそも普通に美しいですからね。そこにさらに「個性」を乗っけるってのは、大変なことでございます。よっぽど上手ければ個性になりうるんですけど、逆はダメなんですよね...下手は個性にゃなりませぬ(^^;
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